ビタミンとは
天然食品中に微量存在する一群の有機物質で、正常な物質代謝に必須であり、摂取食物中にこれが欠乏すると欠乏症がおこる。
微量で生体内の物質代謝を支配ないしは調節する働きをするが、それ自体はエネルギー源や生体構成成分とはならない有機化合物であり、しかも生体内では生合成されず、食事などによって外界から摂取しなければならない不可欠栄養素。
ただし、ニコチン酸のように肝臓で一部生合成されるが必要量まで達しないものも、ビタミンに含まれる。また、動物によって代謝系に相違があり、たとえ
ば、コラーゲンのプロリン残基のヒドロキシル化に必要なビタミンC(アスコルビン酸)は、多くの動物でブドウ糖から体内で生合成されるが、ヒトやサルなど
にはこの生合成経路がないため生成されない。したがって、ビタミンCは多くの動物ではビタミンでないが、ヒトやサルなどにとってはビタミンである。
なお、無機質(ミネラル)はビタミンと同様に微量栄養素であるが有機化合物ではなく、ホルモンもビタミンと同様の働きをするが生体内(内分泌腺)で生成
されるため、それぞれビタミンと区別される。また、ビタミンは脂質、糖質、タンパク質、無機質とともに五大栄養素に含まれている。
[ 日本大百科全書(小学館) ]より
ビタミンは水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類されます。
水溶性ビタミンとは
水に溶けるという特徴のあるビタミンです。尿によって体外排出されやすい特徴があります。
脂溶性ビタミンとは
油脂に溶けるという特徴のあるビタミンです。
水溶性ビタミンとは異なり体外排出されにくく過剰摂取には注意が必要です。
水溶性ビタミンの一覧
ビタミンB群
ビタミンB1 チアミン
ビタミンB2 リボフラビン、ビタミンGともいう
ビタミンB3 ナイアシン、ビタミンPPともいう
ビタミンB5 パントテン酸
ビタミンB6 ピリドキサール、ピキドキサミン、ピリドキシン
ビタミンB7 ビオチン、ビタミンBw、ビタミンHともいう
ビタミンB9 葉酸、ビタミンBc、ビタミンMともいう
ビタミンB12 シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン
ビタミンC アスコルビン酸
脂溶性ビタミンの一覧
ビタミンA アクセルフロール、βカロチンなどのカロチノイドの一部
ビタミンD エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール
ビタミンE トコフェロール、トコトリエノール
ビタミンK フィロキノン、メナキノンの2つのナフトキノン誘導体
ビタミン様物質の一覧
ビタミンB4 アルギニン、シスチン
ビタミンB8 エルガデニル酸(Ergadenylic acid、アデニル酸)
ビタミンB10 葉酸はじめ各種ビタミンB群の混合物。ビタミンRともいった
ビタミンB11 葉酸類似化合物。ビタミンSともいった
ビタミンB13 オロト酸
ビタミンB14 葉酸またはリポ酸などの混合物
ビタミンB15 パンガミン酸(ジメチルグリシンやトリメチルグリシンなど)
ビタミンB16
ビタミンB17 アミグダリン
ビタミンBH イノシトール
ビタミンBP コリン
ビタミンBT カルニチン
ビタミンBX パラアミノ安息香酸(葉酸の部分構造)
ビタミンF リノール酸などの必須脂肪酸
ビタミンI 米糠の抽出物。かつてはビタミンB7とも呼ばれた。
ビタミンJ カテコール、フラビンまたはコリン
ビタミンL1 アントラニル酸
ビタミンL2 アデニルチオメチルペントース
ビタミンM 葉酸
ビタミンN チオクト酸(α-リポ酸)
ビタミンO カルニチン
ビタミンP クエルセチン、ヘスペリジン、ルチンなどのフラボノイド
ビタミンQ ユビキノン
ビタミンT テゴチン
ビタミンV ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
ビタミンU 塩化メチルメチオニンスルホニウム